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行動を変えるデザイン ―心理学と行動経済学をプロダクトデザインに活用する
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行動を変えるデザイン ―心理学と行動経済学をプロダクトデザインに活用する

by Stephen Wendel, 武山 政直, 相島 雅樹, 反中 望, 松村 草也
June 2020
Beginner to intermediate
464 pages
5h 31m
Japanese
O'Reilly Japan, Inc.
Content preview from 行動を変えるデザイン ―心理学と行動経済学をプロダクトデザインに活用する

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行動の障害を見つける

 プロダクトができた。プロダクトの効果の基準も定めた。次にやりたいのは改善だ。問題を発見し、筋のよい解決案を練り、プロダクトを更によくするアイデアを生み出そう。

 わたしが考えるプロダクトの効果改善のためのデバッグ方法は、以下の5ステップでできる。

1. 実際のユーザーが、どのようにプロダクトを使っているのかを観察しよう。そして、何が行動を変えるのを阻んでいるのかを見よう。

2. プロダクトで何か他の問題が起きていないか、データを確認しよう。そして、観察から特定した課題の深刻さをデータから推し量ろう。

3. なぜその問題が起きているのか、プロダクトで何ができるのか、心理学的に理解し、解決案に頭をひねろう。

4. プロダクトの変更案に優先度をつけ、プロダクト開発のプロセスに乗せよう。

5. 優先度の高い変更によって生じた行動への影響を検証しよう。

 まずこの章では、はじめの3ステップを取り上げる。次章で、優先度付けと変更による影響の検証を扱う。

ユーザーがプロダクトを使うところをこの目で見よう

 プロダクト、それにプロダクトによる生活への影響を理解するには、実際の使われ方を見るのが一番だ。ユーザーはあなたが予想だにしないやり方でプロダクトを使う。デザインしているとき、プロダクトをつくっているときにチームが持っていた仮説を、ユーザーは易々と逸脱してくる。幾人かのユーザーはイライラし、悪態をつき、プロダクトを使うのをやめる。プロダクトの使いやすさを改善するにはユーザーの直接観察が重要だと、多くの出版物で散々書かれている。プロダクトによる行動への影響を改善する場合にも、観察は重要だ。

 プロダクトを使っているユーザーを観察するときは、2つのことに焦点をあてよう。 ...

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ISBN: 9784873119144Other