行動を変えるデザイン ―心理学と行動経済学をプロダクトデザインに活用する

第VI部

実践に投入する

　ここまでの第Ⅰ～Ⅴ部で、心が意思決定する仕方、この知識を活かしたプロダクトデザインの方法、プロダクトを検証し改善する方法を説明してきた。残るは、あとわずかだ。

　日々の業務に応用できるよう、随所で手引きを用意してきたつもりだが、疑問や、曖昧なところもまだ残っているだろう。第Ⅵ部では、よく出てくる質問に答えるとともに、プロセスが全体としてどのように機能するか補足説明し、それぞれのステージで迷子にならないようにしたい。

　第15章では、意思決定プロセスがプロダクト開発にどう関係するか、それに、行動を変えるプロダクトが企業の収支決算にどのように影響するのか、といった意思決定プロセスに関する質問に答えていく。第16章は総仕上げだ。本書で学んできた主要なテクニック、それに、本書の行動変容手法の根底に横たわる、共通のテーマについて、まとめておきたい。