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行動を変えるデザイン ―心理学と行動経済学をプロダクトデザインに活用する
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行動を変えるデザイン ―心理学と行動経済学をプロダクトデザインに活用する

by Stephen Wendel, 武山 政直, 相島 雅樹, 反中 望, 松村 草也
June 2020
Beginner to intermediate
464 pages
5h 31m
Japanese
O'Reilly Japan, Inc.
Content preview from 行動を変えるデザイン ―心理学と行動経済学をプロダクトデザインに活用する

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ケーススタディ・よくある質問

手法のケーススタディ

 HelloWalletでの実践経験と他社からのヒアリングから得た着想を下敷きに、ある実践例を紹介したい。本書の随所で、応用のための事例をいくつかの組織を引き合いに出して紹介してきた。しかし、1つのケースを通しで分析する機会はこれまでなかった。この章では、特定のケースについて、はじめから終わりまで一気通貫に分析していく。

 本書で今まで使ってきた、活動量計やパーソナルファイナンスアプリの事例は一度忘れ、住宅の建設業者の案件を考えよう*1。かっこいい取り組みや社会課題の解決だけが、行動変容デザインではない。実際「序文」で書いたように、日常に変化への関心はあふれていて、明確に意識されることは少ないものの、それらも行動変容デザインの対象になるのだ。では、前置きはこれくらいにして本題に入ろう。

 ジェイクが経営するソフトウェア企業は、建設業者向けに、怪我の防止から建材の効率的利用まで、幅広いタスクを支援するアプリを開発している*2。ある日ジェイクが顧客から要望されたのは、仕事のを高めるのと同時に、現場でのミスの発生回数を減らし、被害を軽減する新しいアプリの開発だった。ジェイクは、ミスの原因のほとんどは不注意であり、どれだけ建設業者と作業員の行動を変えられるかがこのアプリの成否を決めると見抜いていた。作業員は以前から変わりたいと望んでいたし、顧客である建設業者も変化を望んでいた。積年の課題だった。

 さあ、ジェイクの新しいアプリを開発するために、行動変容デザインの4つのステージ、理解・探索・デザイン・改善を進めていこう([図15-1]を参照)。現時点のジェイクには、はじめにもらった顧客の要望と、プロダクトがやることのぼんやりとしたイメージがあるだけだ。 ...

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ISBN: 9784873119144Other