4章ナラティブ
食事、住まい、仲間に次いで、物語は私たちが生きるうえで欠かせないものだ。
— フィリップ・プルマン
ナラティブと聞くと英文学の授業を思い出すかもしれないが、ナラティブは社会的な絆、問題解決、娯楽など、文学以外にも多くの手段として機能している。人間というものは物語で成長するのだ。
第Ⅰ部の他の章では、コミュニケーションを成功させるために受け手に何を見せるかについて詳しく説明している。それに対して本章は、受け手への伝え方を扱っている。本章を読めば、あなたのメッセージを伝えるためにストーリーを活用できるようになる。
4.1 まずは概要から
レゴの箱を見ても中にどんなブロックが入っているかはわからない。描かれているのはわくわくするような完成品で、それが本物そっくりの海賊の入り江に置かれ、そこには断崖やサメが登場するのだ。
— グレガー・ホーペ、『The Software Architect Elevator』
図は単独で存在するものではなく、ナラティブの一部である。そしてまずは概要からパターンは、そのナラティブを秩序立てるのに役立つ。ほとんどの図はナラティブの始まりではなく、設計の詳細を説明している。
たとえ受け手の興味が細部に向いていたとしても、最初にそこを見せるべきではない。受け手はまず文脈を理解し、あなたのナラティブに引き込まれる必要がある。全体像がわからないまま詳細を見せられても混乱するし、退屈してしまう。「1.2 抽象度の混在」で説明した抽象度は、意味が通るように順序よく並べる必要がある。自分がプロジェクトの詳細を深く掘り下げているとき、受け手に対しまず文脈を示し、目的を説明すべきということを忘れがちだ。
オンラインでメディアを利用する顧客に関するプレゼンテーションや文書を作成しているとしよう。 ...
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