
カバーの説明
本書の表紙の動物はカッコウ(学名:Cuculus canorus)です。カッコウは、手抜きの子育ての典
型のように言われることがあります。カッコウは、巣を作らないことがよく知られています。代
わりに、メスのカッコウは、すでに卵が産まれている他の鳥の巣を見つると、そこに卵を産みま
す(1 つの巣に 1 つの卵を産み、二十数種の鳥の巣に卵を産むことが確認されています)。この習
性は「托卵(たくらん)」と呼ばれます。巣に卵を産まれた親鳥(仮親)は、まれにカッコウの卵に
気付くことがありますが、通常は、その卵を抱卵し、孵化(ふか)後は自分の雛として餌を与えま
す。なぜ、仮親はカッコウの卵と自分の卵の違いに気付かないのでしょうか。最近の研究では、
鳥類には可視である紫外線のせいで卵が同じように見えるということも言われています。
カッコウの雛は孵化すると、他の卵を巣の外に捨ててしまいます。他の卵が先に孵化した場合
も、カッ
コウの雛は、その雛を巣の外に落としてしまいます。仮親は、多くの場合、カッコウの
雛が自分より大きくなっても餌を与え続けます。カッコウの雛は餌をねだるために他の鳥を引き
付ける鳴き声を使うこともあります。興味深いことに、旧世界(ユーラシア大陸)のカッコウだけ
が托卵を行い、新世界(アメリカ大陸)のカッコウは、粗雑ではありますが自分の巣を作ります。
多くのアメリカ大陸の鳥と同じく、アメリカのカッコウは熱帯地方に渡りを行います。
カッコウは昔から文学や芸術に登場します。聖書でもカッコウについて触れられ ...