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第4章:トリガープロンプトの威力
一歩下がって考えよう
前節では、ハルシネーションや誤推論を抑制するプロンプトパター
ンとしてCoVeパターンを紹介した。プロンプトの入力から初期回答
の作成、最終回答の出力までの流れを総合すると、これはモデルの回
答に含まれる誤りを事後的に取り除くための「誤り訂正」の方法とみ
ることもできる。
一方で、全く異なる考え方に基づいてモデルの推論能力の向上を図
るアプローチも提案されている。「一歩引いてみよう(TakeaStep
Back
*1
)」と題した研究論文で提案された「ステップバックプロンプ
ト」と呼ばれるプロンプト作成のパターンである。ステップバックプ
ロンプトパターンは、実行させたいタスクをいきなりプロンプトに記
述するのではなく、モデルにまず俯瞰的な思考を促すためのステップ
バックプロンプトを与えることから始まる。そうして推論の土台とな
る背景をまず明らかにした上で、あらためて実行させたいタスクを記
述する。これにより、具体的なタスクから一歩引いて問題を俯瞰し、
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ステップバックプロンプト
パターン