
202
第6章:AIエージェントと社会
自律性とは
5-4節「LLM-as-Agent」では、AI エージェントがあたかも自律性
(autonomy)を持った個のように発話し、行動し、環境や他のエー
ジェントを理解し、タスクを解決する様子を見た。
自律性とは、個体が外部からの指示や制御なしに、自己の意志や決
定に基づいて行動できる能力を指す。その最たる例は生命体であり、
そしてその最たる反例は機械だろう。それは自然物と人工物という対
比でもある。生命は勝手気ままに振る舞い、機械は人によってコント
ロールされる。SF 小説などでは自律的な機械として「ロボット
*1
」が
しばしば描かれる。彼/彼女らは自己意識や感情を持ち人間のように
振る舞うが、それは物語の中だけの話で、生命体のような自律性を持っ
た機械はまだ実現していない。
最近家庭で見かける機会も増えた、床を這う円盤型のロボット掃除
機はどうだろう?これは元々人工知能・ロボット研究者であったロド
ニー・ブルックス氏らが立ち上げた米国の企業 iRobot の「ルンバ
*2
」
6-1
AIエージェントの自律性