訳者あとがき
本書は、Heidi Helfand著『Dynamic Reteaming: The Art and Wisdom of Changing Teams, 2nd Edition』(978-1492061281、O'Reilly Media、2020年)の全訳です。原著の誤記や誤植などについては確認して一部修正しています。
個人的な話になりますが、私が著者のハイジに初めて会ったのは、2017年3月にサンディエゴで開催されたGlobal Scrum Gatheringでした。彼女は登壇者で、本書の初版にあたるLeanpubから出した書籍『Dynamic Reteaming』にまとめられたアイデアを共有していました。曲名は忘れましたがセッションの冒頭でヴァン・ヘイレンを流して「デイヴィッド・リー・ロスのソロとどっちがナチュラルだと思う?」と言い始めて一気に興味が湧いたのを覚えています†1。
[†1] デイヴィッド・リー・ロスはアメリカのハードロックバンドヴァン・ヘイレンのボーカリスト。個人的には70年代の方が好みですが一般的に有名なのは80年代のヒット曲「ジャンプ」(https://www.youtube.com/watch?v=SwYN7mTi6HM)。
同日、ズザナ・ショコバ氏†2のセッションで彼女と隣同士になったご縁で、カンファレンスによくある「隣の人と共有してみましょう」タイムや苦手な英語でのワークショップへの参加をサポートしていただきました。英語でコミュニケーションをとることに慣れていなかった私に、日本人特有の英語や発音の間違いを理解した上で言いたいことを読み取ってくれたり、順を追って私が話せるようにしてくれる優しさがとてもありがたかったものです。そこまでコミュニケーションが上手なアメリカ人に出会ったことがなかったので理由を聞くと、彼女は講演ではインタラクションデザイナーがキャリアの始まりだという自己紹介をしていたものの、実は大学で英語を教えていたこともあるのだと打ち明けてくれました。土地柄かアジア人、その中でも日本人と韓国人の学生が多かったために、私が話すような英語には慣れているのだと説明してくれたのです。私はとても感激し、優しさに甘えて、講演ではすでに語っていたであろうダイナミックリチーミングのアイデアについて、私が聞き取れなかったり理解できなかったりした部分を掘り返して聞かせていただきました。アジャイルではチームをいじるなというのが大前提なのに、リチーミングするというアイデアは矛盾しているように感じるという私の不躾な疑問に、当事者ではない第三者がいじるからダメなのであって、自分たちで自分たちをいじるのがまさに自己組織化でありダイナミックリチーミングなのだと教えてくれて、その革新的なアイデアにハッとしたことを覚えています。初版を翻訳したいと伝えPDFをご提供いただいたにも関わらず、私が先延ばしにしているあいだに時が経ち、初版も大幅にアップデートされた上に第2版の出版まで決まってしまったのでした。 ...
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