14章過去をふりかえり、今後の方向性を決める
学習する組織の核心は、過去の経緯をふりかえり、今後どのように変えていきたいかを導き出すことです。これは複数のレベルで起こります。複数チーム間、チーム内、1on1セッションなどです。組織の人たちに実験と学習を通じて自らの成長と発展を促すときに、その人たちは自立への道を歩み始めているのです。
以降では、チームでのレトロスペクティブ、複数チームでのレトロスペクティブ、取り組みについてのレトロスペクティブ、1on1のテクニックを紹介します。そのあと、フィードバックループとして使える調査ツールとメトリクスについて議論します。
では始めましょう。まずはチームレベルでのレトロスペクティブです。
14.1 チームでのレトロスペクティブ
私たちは人として、チームとして、組織として学習し、成長し、変わることができます。これを実現する方法の1つが、チームと定期的にレトロスペクティブをすることです。レトロスペクティブは、誰でも進行役を務められます。コーチでもよいですし、チームが過去に起こったことをふりかえり、将来どのように変わるべきかを決める場を設けたいと思う人でも構いません。チームは自ら変化を起こし、試したい実験を決める権限を持つのです。
リチーミングは、レトロスペクティブから生まれる実験のこともあります。特にチーム編成がしばらく同じときは、チーム変更を試すことへの不安が和らぎます。インタビューしたなかの1人、マーク・キルビーは次のように言いました。「うまくいかなくても問題ありません。元に戻ればよいのです。でも、今のところ元に戻ったことはありません。ただし、誰も失敗したと感じないように、実験という言葉で表現するようにしています」†1。実験を非公式にしておくことも大切です。マークによると、「あまり形式張らないようにしています。今よりもちゃんと追跡することについても議論しました。でも、その方向に舵を切り始めると、実験を躊躇するようになったのです」。マークの言う実験の戦略はまったくそのとおりです。私たちは学習する組織であり、すべての答えを持っているわけではありません。私たちは一緒に実験し、学んでいくのです。 ...
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