
007
重要な制約
工学の世界では良い設計には正しいトレードオフが欠かせないが、Bluetooth Low
Energy
も例外ではない。あらゆるワイヤレスデータ転送のニーズに対応するソリューショ
ンを BLEは目指しているわけではないし、もちろんクラシック Bluetoothや WiFi、NFCな
ど他のワイヤレス技術にも、独自の設計判断やトレードオフに応じた得意分野がある。
BLE の得手(と不得手)を理解するために、(Bluetooth 4.0とそれ以降の規格に定義
される)重要な制約と、これらの制約が現実の製品にどのように影響するのかを認識して
お こう。
データのスループット
Bluetooth Low Energyの無線の変調速度は、規格によって常に1Mbpsに固 定さ
れ て い る 。これ が BLEで実現可能なスループットの理論的な上限となるが、現実にはもっ
と低い値に制限されるのが普通だ。その要因としては、双方向トラフィック、プロトコルのオー
バ ー ヘ ッド 、CPUや無線の限界、そして人為的なソフトウェアの制約などが考えられる。
これらの現実的な制約を理解するために、以下の基本的な前提条件を使って計算して
み よう。
•セ ン ト ラ ル( マ ス タ ー )デ バ イ ス が 、ペ リ フ ェ ラ ル( ス レ ー ブ )ア ク セ サ リ と の コ ネ ク シ ョ ン を 開 始 し 、
確 立する。
• 規 格 で は 、ア ク テ ィブ な コ ネ ク シ ョ