
9
8
7
6
5
4
3
2
1
このダブルマスタは、最初に見たときに、むしろどうやったらこのようにマスタ
が二つに分かれるのか、といぶかしく思うかもしれません。実際、普通に設計をし
ている限り、このような不可解な状態には陥りません。実は、ダブルマスタが生じ
る直接的な理由は一つで、それは、もともと別のシステムで利用されていたマスタ
同士が、システム統合によって同じドメインに存在するようになったためです。
たとえば、金融機関や小売業の企業は、それぞれ独自に顧客マスタを管理して
いるでしょう。そしてその企業の内部に限れば、顧客の一元管理は実現できていた
わけです。しかし、近年盛んな企業同士の合併や買収によってシステム統合が行
なわれると、それぞれの企業が管理していたデータも統合の必要が出てきます。
66
そうすると、互いに同じような役割を持っているテーブルが複数存在すること
になります。そのとき、きちんとデータを精査してエンティティの統廃合を行なえ
ば、ダブルマスタが生じることはないのですが、それには時間と人手がかかりま
す。データモデルを一新すれば、データベースに接続している既存アプリケーショ
ンにも改修が及ぶでしょう。そのようなわけで、往々にしてこの部分のタスクに手
を抜いて、既存のエンティティを並べただけ、という名ばかりの統合が行なわれる
ことも珍しくないのです。
このようなデータ精査の作業を、デー