クラウドFinOps 第2版 ―協調的でリアルタイムなクラウド価値の意思決定
by J.R. Storment, Mike Fuller, 松沢 敏志, 風間 勇志, 新井 俊悟, 福田 遥, 門畑 顕博, 小原 誠
1章FinOpsとは何か?
簡潔に言うならば、FinOpsはクラウドの変動する支出に対する財務上の責任をもたらします。しかし、その説明は結果のほんの一端を示唆しているにすぎません。クラウド運用による文化的変化によって、技術と財務に関わる当事者意識が末端の組織まで広がり、調達、エンジニアリング、アーキテクチャ、プロダクトチームに至るまで、さまざまな部門が関与するようになります。これにより、技術の専門家だけでなく、財務・ビジネスの専門家に至るまで、より効率的な方法で協力し合うことになります。
準備ができているかどうかにかかわらず、クラウドへの移行の動きは世界中でますます加速しています。メインフレームからクライアントサーバー、ウェブ、モバイルへの移行のように、クラウドへの移行は、技術に関わるコストの構成・要求・管理に対して従来のビジネスに求められるものとは大きな変化をもたらします。
FinOpsは、旧来のインフラ管理方法では単に非効果的であるだけでなく、急騰するクラウドコストがビジネスに大きなインパクトを及ぼす可能性があることの認識を要求します。従来のインフラ管理方法論は将来も自社のインフラには必要とされますが、これらの方法論はクラウドの可変的な支出をうまく扱うことができず、FinOpsの導入なしには組織がクラウドを効果的に管理することはできません。
1.1 FinOpsの定義
2023年初頭の時点で、FinOps FoundationはFinOpsを次のように定義しています†1。
[†1] 訳注:原書第2版刊行(2023年1月)のあと、FinOps Foundationの技術諮問会での投票(同年12月)を経て、2024年2月にFinOpsの定義に変更が加えられた旨の発表がありました。変更の要点は、以下のリンク先記事で解説されています。 ...
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