クラウドFinOps 第2版 ―協調的でリアルタイムなクラウド価値の意思決定
by J.R. Storment, Mike Fuller, 松沢 敏志, 風間 勇志, 新井 俊悟, 福田 遥, 門畑 顕博, 小原 誠
13章正確な予測
予測とは、過去の支出トレンドと将来の支出計画を組み合わせて、将来の支出を推し量ることを言います。これは、将来のクラウドインフラストラクチャの利用状況やアプリケーションのライフサイクルの変更がどのように予算に影響を与えるかを理解することで、クラウド投資の意思決定を適切に評価するために行われます。そして、これはFinOpsの取り組みの中でも最も難しいことの1つです。
予測が困難であることの背景として、 エンジニア、財務、調達部門での連携が必要不可欠であることが挙げられます。財務部門は財務報告の責任を負い、調達部門は会計の責任を負っています。これらの部門がその責任を果たしつつ、インフラストラクチャへの変更を理解し計画するためには、エンジニアや経営陣からの支援も必要となります。利害関係のあるチーム間でコラボレーションをすることで、予測モデルとKPIを構築し、ビジネスゴールに基づいて予算を策定することができます。これらのチームがクラウド支出を確実かつ正確に予測するモデルを構築することで、組織の成長を加速するための投資および運用上の決定を行えるようにします。
本章では、予測について議論したうえで、なぜ予測することが困難なのか、その精度を向上させるために必要な主要な概念について説明します。
クラウド以前の伝統的なIT支出の予測は、主に年単位で予算が定められていました。データセンターの設備は、システムの更新または新システムを構築する場合に応じて、前もって総所有コスト(TCO:Total Cost of Ownership)が計算されます。これまで、エンジニアリングチームは、設備投資のためのビジネスケース構築以外にIT支出の予測に関与してこなかったため、予測に関心を持つ必要がなく、頻繁に予測を行ったり、財務やビジネスと連携する習慣がありませんでした。 ...
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