クラウドFinOps 第2版 ―協調的でリアルタイムなクラウド価値の意思決定
by J.R. Storment, Mike Fuller, 松沢 敏志, 風間 勇志, 新井 俊悟, 福田 遥, 門畑 顕博, 小原 誠
24章エンジニアとの協力によるFinOpsの実現
FinOpsはチームスポーツであり、エンジニア抜きではほとんど何も成し遂げることはできません。本章では、命令ではなく、コスト効率に優れるようにエンジニアリングチームを動機付けすることで、FinOpsの文化を浸透させる方法について説明します。命令は、それらがリーダーシップの最優先事項である間のみ、短期的な行動を促します。しかし最終的には命令の圧力は弱まり、物事はいつも通りの仕事に戻り、コストはいつの間にか非効率な状態に戻ります。
本章では、ソフトウェアエンジニアの日々の活動において、なぜコストの最適化を考慮することが難しいのかを考察し、エンジニアが日々のワークフローにおいてコストを考慮するようになる過程で起こりがちな変化について、取り上げます。
これまで多くのエンジニアにとって、コストの考慮は彼らの仕事の一部ではありませんでした。しかし今やクラウドでは、コストを新たな制約として考慮することが求められています。変動するインフラストラクチャのコストがなぜ今、彼らの仕事の重要な一部なのか、そしてそれがどのようにビジネスに影響を与えるのか、そのコンテクストを伝えることが重要です。さもなければ、優先順位が下がってしまうかもしれません。
成熟したFinOpsの実践では、エンジニアと開発者がFinOpsの最前線に立ち、彼らが早期から関与、連携、賛同することが成功に不可欠です。
24.1 「われわれ」と「やつら」の統合
本書の初版を読み返したとき、FinOpsチームとエンジニアリングチームに関して、「われわれとやつら」という論調がいかに多いかに気づきました。あたかもエンジニアがFinOpsの仕事の範囲外にあり、一般的にコストを気にしていないかのような表現もありました。しかしこれは、クラウドとFinOpsの変革が成熟している企業にとっては、事実からかけ離れています。消極的なコスト最適化しか行わない、関与度の低いエンジニアは、FinOpsが未成熟であることを反映しています。そこでは、開発プロセスが非効率で、FinOpsのプロセスも事後対応的に無駄を取り除くことに限られています。一方で成熟した実践では、サービスおよびアーキテクチャ設計の初期段階でエンジニアと連携し、クラウド上でのサービスのデプロイ方法における非効率を積極的に回避します。 ...
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