クラウドFinOps 第2版 ―協調的でリアルタイムなクラウド価値の意思決定
by J.R. Storment, Mike Fuller, 松沢 敏志, 風間 勇志, 新井 俊悟, 福田 遥, 門畑 顕博, 小原 誠
2章なぜFinOpsが必要なのか?
組織がクラウドを利用する理由とクラウドによって得られる利益を考慮すると、FinOpsの重要性と必要性は明らかです。成功したFinOpsの実践は、クラウドによって可能になる事業利益を拡大し加速させます。クラウドは単なる基盤刷新の代替手段としてではなく、事業を加速させる手段として見なすべきです。同様に、FinOpsはコストの最適化のみではなく、価値の最大化を目的としています。
2.1 正当な理由でのクラウド利用
コスト削減は、しばしばクラウドの主要な利点として挙げられます。しかしながら、最も成功しているクラウドファーストの企業は、拡張性とイノベーションこそが真の利点であることを世界に示しています。
例えば、Spotifyは世界中の顧客に直接コンテンツを提供するためにクラウドの拡張性を利用しています。また、Flickrは大量の顧客データをクラウドに安全に保存し、安全で迅速なアクセスを提供しています。クラウドのおかげで、これらの企業は自社のデータセンターでは決してできなかった方法で競い合っています。クラウドを利用するうえで、価格は常に理由の1つですが、拡張性やグローバルな可用性に比べれば遠くおよばない3番目の理由です。
クラウドを使用することで、企業はより迅速に動き、収益を成長させることができます。金融サービス、航空会社、小売業など「非技術」分野の事業でさえ、競合他社との差別化を図るためにソフトウェアとデータに着目しています。実際、「2022年のState of FinOps」(http://data.finops.org/)のデータにおいて、最も代表的な業界は金融サービスと銀行でした。
ソフトウェアはビジネスと顧客をつなぎ、物理資産を最適化し、工場を監視するのに役立ちます。最新のポップソング、小売パッケージ、さらには人々を世界中に届けます。 ...
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