クラウドFinOps 第2版 ―協調的でリアルタイムなクラウド価値の意思決定
by J.R. Storment, Mike Fuller, 松沢 敏志, 風間 勇志, 新井 俊悟, 福田 遥, 門畑 顕博, 小原 誠
11章配賦:すべての費用を割り当てる
本章では、実際に支出を配賦する前に決めておくべき配賦戦略について説明します。コスト配賦は、組織内の適切なビジネスユニットにクラウドコストを配分することですが、その本質は、配分したコストを全社に報告することで多くの利点が得られることにあります。
11.1 適切に配賦することの重要性
配分されていない、未配賦の、またはタグ付けされていないコストを残さないことによって得ることのできる利点は多くあります。まず、明確な利点として、誰が何に費やしているのかを把握できる点が挙げられます。クラウドコストを管理する際に、「そのリソースは私が管理しているものではない」という言い訳で議論が中断されることはもうありません。なにより、適切なコスト配賦によって得られる最大の価値は、各チームの費用増加予測(対全社支出)を容易に推測できるようになるため、各チームの予算進捗を評価できるようになることです。これについては、13章でさらに詳しく説明しています。
それを確立させることで、コストの異常がどこから発生しているのか、どのビジネスエリアやワークロードに原因があるのか把握することができます。リソースがどのように利用されているかを把握することで、インフラ環境の特徴や各チームの計画を考慮に入れて、高度に最適化することができます。それが本番環境なのか、開発環境なのか?各CPUの限界値をどこで設定するのか?などです。その過程を経ることで、月末に財務チームからチャージバックされる金額と一致する、日々の実績に基づいた支出状況を正確に把握できるようになります。
各チームに予算を遵守する責任を持たせるためには、ユニットエコノミクスの導入が有効的です。中央管理チームが配賦を実施する一方で、チャージバックやショーバックを活用し、各チームに責任意識を醸成することを目指します。これにより、中央管理チームはクラウドを効率的に利用するための方法を定義し、全体の最適化を促進することができます。 ...
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