24章顧客中心主義
適切なコミュニケーション、報酬、インセンティブ、予算編成、方針、安全性はどれも組織にとって重要ですが、本当の意味でプロダクト主導になるにはもう1つ必要なことがあります。学習を促し、それに報いる文化に加えて、顧客に焦点を当てる文化が必要なのです。アマゾン、Netflix、ザッポス、ダラーシェーブクラブ、ディズニーといった今日のトップ企業の多くは、顧客に焦点を当てることで現在の位置に上り詰めました。この態度は、幹部の顧客についての話し方、顧客の扱い方に表れます。
アマゾンがどうやって成功したのかをジェフ・ベゾスが語ったなかでいちばん有名なのは、「いちばん重要なのは顧客に執着することです。私たちの目標は地球上で最もお客様を大切にする企業であることです」というものです。アマゾンの行動はすべてこの考え方によって決まります。そして、それが報われています。2012年に2500万人だったプライム会員は、2018年には1億人以上になりました。これは、ユーザーが簡単に買い物できるようにしたり、欲しいものを簡単にアマゾンで見つけられるようにしたり、無料で2日以内に配送したり、多くのエンターテイメントに無料でアクセスできるようにしたりすることで達成しました。
顧客の立場になって、「どうすれば顧客が喜んでくれて、ビジネスを前に進めることができるか」と自問するのが顧客中心の肝です。本書の冒頭で、プロダクトマネジメントとは価値交換だと説明しました。顧客中心でいることで、どんなプロダクトやサービスが顧客にとっての価値になるのか理解できるようになります。
顧客中心主義の重要性を理解しているもう1つの会社が、アイオワ州の農業技術会社ジョン・ディアーです。この会社のプロダクトマネージャーの1人、ケビン・ザイドルにインタビューしたところ、ジョン・ディアーは積極的に顧客の行動を見に行くようにチームに勧めていると説明してくれました。「開発者を雇っても、その人たちが農業の専門家でないことはわかっていました。みんな都市部の出身で、育てているトウモロコシの種類の違いもわかりません。そこで、農家の人たちが実際に働いているのを見に行くように勧めたのです」 ...
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