8章リーダーシップスタイルの開発
長い間、私はマイクロマネージャーのようなCEOとの仕事に非常にフラストレーションを感じてきた。どこからともなく現れて、トレードオフを理解もせずに私の仕事をひっくり返したり、私がした決定を説明しようとすると姿をくらましてしまったりする、そんなCEOだ。そういう時、築いてきた実績に基づいて私のことを信頼してほしいと、私は願っていた。実績を元に信頼してもらえないとしても、せめて私が決定したことを説明できるように、時間を割いて話し合ってもらえないだろうかと思っていた。
私は、もっと距離を置いてくれるCEOを切望していた。明確な仕事の進め方を定義し、私の人員要求を好意的に承認し、時折私の本質的な才能を確認するメモを送ってくれはしても、それ以外は私に好きに仕事をさせてくれるようなCEOだ。業界の仲間と話をする中で、私は、そういった理想的な距離感のCEOが実在することを知って驚いた。しかし、そうしたCEOと仕事をしている私の仲間たちは、自分たちのCEOを称賛することはなかった。それどころか、かなりフラストレーションを感じていた。CEOが現場から距離を置くことは権限委譲につながるものだと私は想像していたが、実際にそうしたCEOと仕事をする業界の仲間たちは、重要な決定を前進させられないことが多いと感じていた。たとえ話を前に進められていても、それは取りうる中で最善の決断を下すというより、単に全員が納得できる妥協案を受け入れているだけに過ぎないようだった。
この気づきから、どんな状況にも通用する万能の統括責任者のリーダーシップスタイルは存在しないこと、特別に有能な統括責任者は、複数のリーダーシップを使い分けて与えられた課題を解決していることを、より深く理解するようになった。ラインマネジメントの多くはポリシーで導くプロセス指向のリーダーシップを必要とし、中間管理職はコンセンサスで導くリーダーシップを取ることが多く、アーキテクトは明確なトップダウンの意思決定を信念で導くことがある。統括責任者であるあなたには、この3つのスタイルすべてを使い分ける能力が求められる。 ...
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