はじめに
初めてエンジニアリング統括責任者になる前に本書を読みたかった。また、2度目にエンジニアリング統括責任者になる前に再読し、この広範で複雑な仕事をこなした後に自分の信念がどのように進化したかを振り返るのに使いたかった。本書があなたの役に立つことを願っている。また、より重要なことだが、本書が意見の押し付けにならず、あなた自身の意見を形成する手助けになることを願っている。
本書の中で私が最も好きなのは、エンジニアリング戦略の策定について解説した3章だ。前著『スタッフエンジニア』(日経BP)[1]でも、私はエンジニアリング戦略について解説した。それからわずか3年の開きしかないにもかかわらず、内容は大きく異なっている。最初は、この違いは2冊の本を書く間に私が得た深い学びを反映しているのだと考えていた。しかし、違いは本当はもっと根本的なところにあった。それは、エンジニアリング統括責任者という仕事が、重要かつそれまでの役職とは異なるということだ。そのために、私はそれまでのエンジニアやエンジニアリングマネージャーとしての役割とは異なる視点を持たざるを得なかったのだ。
エンジニアリング統括責任者になった後も、それ以前に何度となくあたってきた問題に引き続き対処することになる。ところが、解決に用いるツールは新しくなる。たとえば、前の役職でエンジニアリング戦略を策定する際に最も困難だったのは、解決策に至るための合意形成だった。一方、エンジニアリング統括責任者として最も難しいのは、自分の戦略が会社にとって正しいという確信を得ることだ。あなたがまだエンジニアリング統括責任者になりたてであれば、これまで取り組んだことのない新しい問題に対処することにもなるだろう。計画プロセスにはどの役職であっても取り組むものだが、プラットフォームコストをさまざまな事業部門に割り当てるアルゴリズムについて議論しなければならないのは、エンジニアリング統括責任者だけだ。 ...
Become an O’Reilly member and get unlimited access to this title plus top books and audiobooks from O’Reilly and nearly 200 top publishers, thousands of courses curated by job role, 150+ live events each month,
and much more.
Read now
Unlock full access