はじめに
この本が扱っているのは、リーダーが実践すべき、ささいなことです。これは、私が長年かけて集めて磨きあげてきた、リーダーのためのエッセンス、すなわちシンプルで覚えやすいふるまいとプラクティスです。
一つお気に入りを紹介しましょう。私は何十年もの間、1on1を布教してきました。1on1とは、直属の部下と毎週必ず行うミーティングです。あなたが一緒に働く相手との間に信頼関係を築こうとするなら、1on1が最もシンプルで確実な方法です。チームに現在進行形で影響を与えている問題について、週に一度、密度の高い会話をするのです。私は、新しいチームに参画すると、まず最初に1on1のスケジュールを決め、どんなに忙しくても、このミーティングを延期したり、キャンセルしたりすることはありません。1on1は長いこと、私にとってチームビルディングの常套手段になっています。
この信念はどこから来たのでしょう? なぜ1on1が重要だと思うのでしょうか? 私が1on1に出会ったのは、1990年代半ばのNetscapeでした。そこでは、週次で上司とミーティングが行われていたのです。マネージャーの仕事とされてはいましたが、それほど重要なこととは捉えておらず、言われるがままにスケジュールを入れていただけでした。
数ヶ月、さらには数年が経ったころ、1on1は私にとって欠かせないものになっていました。習慣になっていた? そうですね、この本に書かれていることは、「リーダーの習慣」とも言えるかもしれません。ささいな行為を繰り返した結果、意識しなくてもやるようになった、と。確かに、ここで挙げているエッセンスには習慣と似たところもありますが、漫然と続けるだけでは、学びを得ることができません。
何百回も1on1をこなしてわかったのは、他のどんなミーティングよりも、1on1で伝えられるメッセージが濃い、ということでした。その週に起きた重要なトピックについて、偽りのない会話が交わされるからです。そうやって大切なことを話し合うことで得られる情報は、他のどんなやり方でも得られない貴重なものなのです。 ...
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