2章会議ボケ
水曜日の午後3時半、ターニャと私は、製品と技術にも関わる複雑な社内政治シナリオのウォークスルーを行っています。良からぬことを考えている人がいるわけではありません。ただ、考えるべきことがたくさんあって、とにかく複雑なのです。この会話は、今日で5回目になります。
ホワイトボードが頼みの綱です。私はホワイトボードに絵を描いて、シナリオの核心を忘れないようにしています。この核心は会話と共に変化していくので、その実態をとらえるべく、絵も描き変えています。
問題は、こうした絵が表現しているのが、私が理解する現実であって、会話をしている相手にとっての現実ではないということです。シナリオが複雑になると、誰が何を知っているかを把握し続ける必要があります。繰り返しになりますが、不正をしようとしているわけでもなければ、悪意も一切ありません。ただ、生産的に会話するための正直な試みです。
ターニャが何か大事なことを言います。本当に大切なことです。きわめて広範囲にわたる考え方で、突如私は、自分の考え方を全般的に見直す必要に駆られます。このシナリオについて会話するのは今日でもう5回目なのですが、突然、これまでに、誰が、いつ、どこで、何を言ったのか思い出せなくなってしまいました。これが、会議ボケです。
2.1 抱えすぎ
リーダーであるあなたは、チームや会社で行われている開発の情報を人より多く知っています。驚くようなことは何もありません。あなたはチームの責任者ですから、責任者向けのミーティングにたくさん呼ばれます。そうしたミーティングには、今、会社で何が起こっているのかという情報が集約されています†1。
[†1] だからこそ、そのミーティングに出たうえで、必ずチームに報告しなければならないのです。何が起こったのか? 何を学んだのか? 次に何が起こるのか? チームメンバーは皆、そのミーティングがあったことは知っていますが、 ...
Become an O’Reilly member and get unlimited access to this title plus top books and audiobooks from O’Reilly and nearly 200 top publishers, thousands of courses curated by job role, 150+ live events each month,
and much more.
Read now
Unlock full access