
本書では、大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)の基本的な仕組みから学習
プロセス、プロンプトエンジニアリングや代表的なAPI の利用法、LangChain を用いた活用
法、LangGraphを用いたマルチエージェントシステムの構築手法、そしてそれらを統合した
アプリケーション開発例まで、幅広いトピックを体系的に取り上げてきました。これらの内容
は、各章単体で完結しつつも、それぞれが関連し合うことで、より深い理解を促す構成となっ
ています。読者の皆様には、興味のあるトピックから読み進めていただきつつ、必要に応じて
他の章に立ち戻ることで、LLMの知識を体系的に広げていただければ幸いです。
これまで、良いプログラムを書くためには計算機アーキテクチャ、コンパイラ、OSの仕組
みを理解することが重要とされてきました。同様に、プログラムの一部としてLLM を効果的
に活用するためには、Transformerやその学習プロセス、プロンプトエンジニアリングといっ
た「 LLMに特有の基礎知識」を身につけることが不可欠です。本書では、これらの基礎を解説
するとともに、多数のコード例を通じて具体的な実践方法を示すことで、読者がLLM を「 道
具として使う」以上の応用力を身につけられることを目指しました。
LLMは依然として発展途上の技術ですが、その進化は止まることなく、私たちの日常生活
やビジネスにさらに深く浸透していくことでしょう。LLM が提供する汎用的な能力は、個人
や組織にとって重要な競争力となるだけでなく、新たな価値創造の可能性をもたらします。本 ...