
74
5
章 探索的データ分析
5.2
質問
決まり切った統計的質問など存在しない。統計的な定型作業に疑問があるだけだ。
―
Sir David Cox
(英国の統計学者、
1924
年生まれ)
間違った質問に対する(いつでも精密にできる)正確な答えよりは、正しい質問に対する(曖昧
なこともある)近似解の方がはるかに優れている。
―
John Tukey
EDA遂行時の目標は、データの理解です。質問を使って検討を進めるのが最も容易です。質問す
れば、データセットの特定部分に注目し、どのグラフ、モデル、変換を行うかを決定できます。
EDAは基本的には創造的なプロセスです。ほとんどの創造的プロセスと同様に、良質な質問をす
るカギとなるのは、大量の質問を作ることです。分析の当初から隠された真相を明らかにするような
質問をすることは簡単ではありません。データセットへの洞察がまだ足りないからです。一方で、新
たな質問をするたびに、データの新たな側面がわかり、発見
の機会が増えます。データの中で最も
興味深い部分を迅速に掘り下げることができて、発見したことに基づいて新たな質問をすることで、
一連の考えさせられる質問に発展できます。
探索を導くためにどの質問をすべきかという規則は存在しません。しかし、次の2種類の質問は、
データについての発見に常に役立ちます。言葉で概略を表すと次のようになります。
1. 変数においてはどんな変動があるか。
2. 変数間にはどんな共変動があるか。
本章の残りでは、これら2 つの質問を考えます。どんな変