
もちろん、最初から全部を完璧にできるスクラムチームはいない。それはボクく
んたちのスクラムチームも例外じゃない。だからあえて、実践編ではスクラムの
2
つの大事なことを書かなかった。
その
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つはスプリントレトロスペクティブ、よく「ふりかえり」と呼ばれている
活動だ。スプリントレトロスペクティブは、スクラムチームの仕事の進め方をもっ
と良いものに変えていくためのイベントだ。作るものをさらに良くしていくには、
それを実現するスクラムチーム自身が良くなっていく必要がある。たとえば、もっ
とユーザーの使い勝手を良くしたいからペーパープロトタイピングに取り組もうと
か、全員がテストコードを書けるようになるための勉強時間を確保しようといった
具合だ。自分たちで仕事の進め方をいつも良くしていくことに頭を使うんだ。
けれど、最初の頃のスプリントレトロスペクティブは、スプリントで起きた問題
に対処しようとして、問題解決のイベントになりがちになる。ボクくんたちも、そ
うなっていただろう。それだと本来のスプリントレトロスペクティブの姿を誤解さ
せてしまうので、実践編では伝えなかったんだ。
そして、もう
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つ伝えなかったのは、プロダクトという考え方だ。プロダクトは、
スクラムチームが作るものの全体を指す言葉だ。たとえば今回なら、営業支援シス
テムそのものを指す。スクラムチームは、プロダクトを良くするためにさまざまなこ
とに取り組んでいく。たとえば、入力に手間がかかりすぎるのでそれを補助する仕組
みを追加しようといった話が、本来であればいつもされているはずだ。けれど、プロ ...