
スクラムでは、実際にスプリントでどれくらいのことを実現できたかを計測し
て、今後のことを予測していく。その計測結果がベロシティだ。実際にどれくらい
のペースで実現できているかがわかれば、本当にリリースできそうな日などもわ
かってくる。だけど、もし周りから期待されているリリース日があるような場合、
その日に間に合わなさそうだとわかったらどうしよう? ベロシティをその期日に
間に合わせるために急に上昇させないといけないのだろうか? それについて考え
てみよう。
実は、ベロシティには良いベロシティと悪いベロシティがあるんだ。ベロシティ
は先のことを考えるのに不可欠だ。ベロシティをもとにして、あとどれくらいのこ
とを実現できそうかがわかってくる。でも、そのもとになるベロシティがスプリン
トごとにバラバラの数字では先のことはわからない。たとえば、前回のスプリント
では
20
ポイントだったのに、今回は
3
ポイントという具合だ。これでは先のことを
考えるのに役に立たない。ベロシティに求められるのは安定していることなんだ。
安定しているベロシティが好まれるのは、先のことを読めるからだけじゃない。
ベロシティが安定しているのは、良いスクラムチームの特徴だからだ。プロダクト
バックログの項目の見積りに多少の誤差はつきものだし、加えてトラブルなんかも
それなりに起こるものだ。けれど、それにうまく対応できているからベロシティが
安定している。つまり、スクラムチームの仕事の進め方が順調な証拠なんだ。
安定していないベロシティは予測には使えない。それはベロシティが上がり続け ...