
まだ何も開発が始まっていないときの見積りは、当てずっぽうだ。見積もって
いく対象は、不確実であいまいなものなんだ。これから作っていくものは、過去に
作ったものとまったく同じものにはならない。体制や環境、進め方もそうだ。さら
に、実現したいことだって、開発を進めていくうちに変わってしまうかもしれない。
あいまいなことを確実にしようとして膨大な時間を費やしても、確実なものには
ならない。素早く見積もって、自分たちの推測を実際に試してみて確実なものにし
ていく。スクラムでは、推測に時間を費やすことよりも確実なものにすることのほ
うに時間を使うんだ。そのためにも、見積りは素早くやろう。
けれど、あいまいなことをただ放置していいわけじゃない。できるだけ明らかに
していこう。では、そのために何をするのかを考えてみよう。
見積りは、多くの知識と情報を持っている専門家に任せたほうが安心だ。見積もるに
は作業の量を明らかにしていくことが必要なので、最も詳しい人たちにお願いしよう。
スクラムでは、実際に作業を進めていく開発チームが一番詳しい専門家だ。開発チー
ムなら、実装するロジックは簡単だけど多くのコードを書くので手間がかかるとか、開
発チームのスキルで十分に扱えそうか、といったことまで考えられる。そうした判断が、
見積もるときには重要な情報になる。
実際に作業をする人でないとこうした情報は持っていない。情報を持っていない人が
見積もると、どうしても周りから期待されているリリースを希望する日に間に合わせよ
うとしたり、偏った見積りを ...