
スクラムでは、プロダクトオーナーが開発チームに実現したいものを伝える。と
はいえ、うまく伝えるのは簡単じゃない。もしうまく伝えられなくても、完成の確
認をしたときやデモを見たときに、伝わっていなかったことに気づけるはずだ。け
れど、わざわざ気づくまでの貴重な時間を費やしたくはないはずだ。では、どう
やったらうまく伝えられるんだろう? それについて考えてみよう。
ひとくちに何かを実現するといっても、ロールによって考えていることが違う。
プロダクトオーナーは何を実現したいかについて考えているし、開発チームはどう
やって実現するかを考えている。同じものについて話し合っているようでいて、実
は考えていることが違うんだ。各自が責任を持つ部分に集中できる利点がある一方
で、考えている部分が違うので誤解も生みやすい。
誤解を生まないために、それぞれの考えていることをお互いにわかりやすく伝え
たい。そのやり方の
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つが、実現したいものを実際に使う人たちの立場で表現する
ことだ。実際に使う人たちのことは、お互いに気にかけているはずだ。プロダクト
オーナーとしては使う人の期待に応えられるかどうかが気になるだろうし、開発
チームも、考えていた通りに使ってもらえるかどうかは気になるだろう。たとえ
ば、検索機能を提供するつもりなら、実際に使う人が探したいものをうまく見つけ
られるか、想定した通りに使っているのかを考えるだろう。
では、実現したいことを実際に使う人たちの立場で表現してみよう。それをやり
やすくするのがユーザーストーリーだ。実際に使う人たちの視点で実現したいこと ...