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本章では、本書の締めくくりとして、設計の意味を改めて考えてみま
す。アジャイル開発が普及しつつある中で、設計の位置付けは従来と
は変わってきているといわれます。では、具体的にどう変わっているので
しょうか。また、設計に必要なスキルは今後どのように変わっていくので
しょうか。その点を考察したうえで、最後に「これからのエンジニアと設
計」について述べたいと思います。
設計の意味を改めて問う
本書のテーマは設計ですが、設計そのものが不要だという議論がありま
す。本書は教科書ではありません。はじめて設計を行うエンジニアのための
本です。そして、エンジニアの仕事はきれいごとではありません。仮に、本
当に設計が不要なのだとしたら、行うべきではないでしょう。設計が必要な
のか不要なのかは、本書のテーマの中心ともなる重要な議論です。
最近では、システム開発における設計が不要だとの意見が多くなってきま
した。特に、スクラム開発やXPをはじめとするアジャイル開発方法論が注
目されるようになるにつれ、この意見が顕著になってきました。筆者の周り
には、設計が不要だと考える人も、設計はやっぱり必要だと考える人もいま
す。ただ、どちらの陣営も、設計が必要かどうかを深く考えているというよ
り、それぞれの過去の経験から判断を下していることが多いようです。
設計を省略できるような条件の開発プロジェクトを多く経験した人は、設
計が不要だと言います。一方でウォーターフォールで開発することが多かっ ...