1章キャリアのための行動
人には、時に「キャリアを決める瞬間」というのが訪れる。
私たちは、日々、デスクに向かいながら、メールの受信ボックスを見ながら、絶えず小さな決断を下している。だが、実はどの決断も小さいとは言えないのだ。重大な決断だ。なぜなら、一度決断してしまったら二度と後戻りはできないからだ。この本の読者には、そういう決断を下した時、いささか辛い発見をする人が多いのではないだろうか。それは「ああ、自分はやはりエンジニアなのだ」という発見である。
MBAを持っているわけでもない。会社の中には人事部の人間などもいるが、彼らとどう接していいのかまったくわからない。できれば、コードだけを見て過ごしたい、他のことからは身を隠していたい。それが自分にとっては心地よい、そう気づく瞬間がある。こういう発見がキャリアに大きく影響を与えていることは、少し考えてみればわかるだろう。だが、具体的にどう影響しているのか、それが明確にわかる人は少ない。
転職の誘いを受けたけど、自分としてはもっと給料が欲しい。でも、それをどう伝えればいいか。上司に嘘を言われた時にはどう対処すればいいか。会社を退職したい時はどうすべきか。プログラムマネージャーとはどういう仕事か。自分は管理職になるべきか否か。管理職になれば給料は上がるかもしれないが、仕事は増えるのではないか。誰とも話をせずに昇進する方法はないか。ずっと自宅で仕事をすることはできないか。どれも大切なことだが、たとえば大学などではこういうことは一切教えてくれない。Wikipediaで調べても、わかるのは「事実」だけだ。主としてキーボードを通して世界と接する内向的な人がどう他人と渡り合って生きていけばいいのか、それを教えてくれることはない。
この本はそういう人たちのための本である。果たしてエンジニアはいかに生きるべきか、それを深く掘り下げて考えていきたい。 ...
Become an O’Reilly member and get unlimited access to this title plus top books and audiobooks from O’Reilly and nearly 200 top publishers, thousands of courses curated by job role, 150+ live events each month,
and much more.
Read now
Unlock full access