January 2026
Beginner to intermediate
392 pages
4h 6m
Japanese
シリコンバレーでエンジニアとして働いてもう20年になるが、「エンジニアのためのマネージメント講座」という類のトレーニング講座があるという話を聞いたことは一度もない。もちろん、探せばどこかに必ず、マネージメント講座が受けられるところはあるのだろうが、「エンジニアのための」と銘打った講座は聞いたことがない。少なくとも、知り合いがそういう講座を知っていて、良い講座だと絶賛していた、ということはない。
私のような仕事をしている人間の中には、大学でコンピュータサイエンスを学んでいた人が多い。そういう人間がいつ、マネージメントについて学んだというのだろうか。果たして、マネージャーになどなれるのだろうか。
その問いへの答えには喜ばしい面もあれば、困った面もある。まずは、喜ばしい面について見て行こう。
ITの業界のマネージャーたちは、そのほとんどが元エンジニアである。
大学では、部下のエンジニアたちと同じような勉強をしてきた。そして、現在の部下と同じような苦労をし、試練をくぐり抜けてきたはずである。その頃は今とは違う会社で働いていたかもしれないし、使っていた言語は、もうすでに使われなくなってしまったものかもしれない。でも、直面してきた問題は、基本的には、部下たちと変わらないだろう。それはたとえば、次のような問題である。
今はマネージャーの地位にある人も、かつては自分の上司であるマネージャーに対して、心の中で「何だって、こんな人が上司なんだ。これで、よくこんな地位に就けたな。今、部下が何をやっているのかを把握しているかどうかも怪しいのに」などと思っていただろう。 ...
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