20章人脈
キャリア形成に役立つものには色々な種類があるが、その中には、「無形の資産」と呼ぶべきものも多い。成功には欠かせないが、目には見えず、定量的な評価も難しい、そんな資産である。必要であること、重要であることは間違いないが、たとえばその資産をどのくらい持っていたら、どのくらい給料が上がる、というような相関関係はわからない。その資産を持っているからといって、社内での評価が即、高まるというようなことはないのだ。だが、長年、組織の中で仕事をしていると、はっきりと目には見えなくても、そうした資産が自分の成長には必要なのだとわかるようになるだろう。
そうした資産の例としては、「人脈」などもあげられる。
人脈は大きく2つの種類に分けられる。1つは、社内の人脈である。同じ目的に向かって共に仕事をする人たちの関係だ。上司や同僚など、主に普段から近くにいる人たちとのつながりである。そうした関係を維持するのは難しいことではない。同じ会社で仕事をしている以上、嫌でも絶えず依存し合うことになるからだ。そして、自分がどこに属していて、その内部に通じているというのは、ある種、心地の良いことである。
もう1つの人脈は、会社を離れた人脈である。この種の人脈は作り上げるのも容易ではないし、維持するのも大変だ。まず自ら能動的に動いて、人とのつながりが生まれるような場所に身を置かなくてはならない。たとえば、誰も知り合いのいないカンファレンスに出席するといった努力が必要なのだ。プログラミング言語以外に接点のない未知の人たちと、誰にも紹介されずに話をしなくてはならない。一般に人付き合いが得意でないエンジニアにとってはかなり勇気のいることだろうが、得るものは大きいはずだ。ただし、人脈を広げたとして、そのメリットがいつ得られるかは予測ができない。 ...
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