43章空白
「抜けた穴は必ず埋められる」
チームにとって貴重な戦力だった人が残念ながら退職してしまう時には、よくそう言われる。上司がチームのメンバーを呼び集める。皆、仕事の手を止めて集まる。誰もが、「辞めて欲しくない」と思っている人が辞めるのだ。上司が話をする。「当社で5年間、働いてくれたが、そろそろ新しいことに挑戦したくなったと言っている、云々……」 皆がうなずき、困惑する中、誰かが「彼の抜けた穴は痛いが、必ず埋められる」などと言う。
それは確かにそのとおりだろう。「自然は真空を嫌う」からだ。なくてはならない存在だと思っていても、いなくなれば、その穴はいずれ埋まる。実際に体験してみれば、そのことはよくわかるはずである。
重要な人の退社
この章では、重要な人物が惜しくもチームを離れた時にどういうことが起きるのか、それを見ていきたい。重要な人物、とは、他の人にできない特別なことができる人のことである。辞めてもらいたくないと思う。その人が辞めてしまったら、何か大事なものがチームから永遠に失われる、そう思える。
誰か1人がいなくなったために、チームが、あるいは会社全体が駄目になってしまうことは絶対にないとは言えない。だが、ほとんどの場合、そういうことは起きない。優秀な人がいなくなってしまうのは悲しいことだが、後に残る他の人たちのことを過小評価してはいけないと思う。この章では、そのことについて書く。
誰かがいなくなると、私たちはつい、それによってすぐに何か、後戻りのできない変化が起きるのではないか、と思ってしまう。しかし、会社組織などの社会集団は、そう単純なものではない。たとえ変化が起きるにしても、それは即座には起きない。もちろん、その人が抜けた分の穴は空く。その穴を心配する人も多いだろう。どういう穴かはわからない。それは、いなくなる人がどういう人かによって変わるだろう。ここでは、どの人にも共通して言えるようなことについて考えていこう。そして、誰かの抜けた穴のこと心配する必要がない理由や、重要な人がいなくなった後に注意すべきことなどについて触れる。 ...
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