42章情報公開
私のマネージャーとしてのキャリアは誤解から始まった。
「ツール開発プロジェクトでの君の働きは素晴らしい。是非、チームのリーダーになってもらいたい」マネージャーからそう言われたのだ。
ありきたりな褒め言葉ではあるけれど、悪い気はしなかった。「リーダーか、よし、やってやろうじゃないか」と思った。だが、問題は、その場合のリーダーが具体的にどういう仕事なのかをよく知らされていなかったということだ。
どういう仕事なのか、私も尋ねなかったし、向こうもはっきりとは言わなかった。ただ、リーダーになってくれ、と言われただけだ。そのせいで後に大変な事態を招くことになった。2ヶ月後、私が「このままでは期日に間に合いません。もう少し時間をいただきたいのですが」と告げた時、マネージャーは非常に驚き、途方に暮れてしまったのだ。
マネージャー:どうして人員を増やすとか何とか手を打たなかったんだ。
私:私にそんな権限はないですよ。
誰かがマネージャーになる場合、その「なり方」には、大きく分けて、次の3つの種類があると思われる。
- 本人がその道を選ぶ。「自分はエンジニアよりもマネージャーに向いているに違いない。だから、マネージャーを目指す」
- 自然の成り行き。私の場合はこれだ。特に「なろう」と決めていたわけではないが、小さな選択や行動がいくつもの積み重なった結果、いつの間にかマネージャーになってしまう、というパターン。
- 有無を言わさず命令される。「今すぐマネージャーになれ」と言われ、選択の余地は与えられない。
たとえどのパターンであっても、マネージャーになるのであれば必ず理解しておくべきことはあるので、次にそれについて触れることにしよう。
すべてがリスタート
特に自分からそう望んでマネージャーになったのではない場合、よく認識していない人が多いのだが、マネージャーになると自分を取り巻く環境は大きく変わってしまう。たとえて言えば、相変わらず同じゲームを続けているのだけれど、ゲームボードはまったく違うものに変わってしまっているという感じ。つまり、また「振り出し」からすべてやり直し、ということである。あなたは仮に非常に優秀なエンジニアだったとしても、今までに培ってきたスキルはもはやほとんど役に立たない。今までは違うスキルを獲得し、磨いていかなくてはならないのだ。 ...
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