7章待遇の交渉
誰にでも「キャリアが大きく変わる瞬間」というのがある。そう頻繁ではないが、そんな瞬間が時折、訪れるのは確かだ。何かが起こり、突如として、それまでとは色々なことがまったく変わってしまうのだ。私自身にも何度か訪れた。そうなることが事前にある程度、予測できたこともあったが、まったく予測していないかたちで大変化が生じたこともあった。思いがけない事件や、驚くべき急展開は確かにエキサイティングで楽しいけれど、私はやはり、自分の身に起きることは自分で予測できた方がいいと思う。
たとえば、「転職先からの採用通知が届く」という出来事は、自分のキャリアを大きく変える可能性があるが、それは予測不可能ではない。幾度も書き直しながら、何時間もかけて履歴書を書き、電話選抜(4章を参照)を切り抜け、2日間に及ぶ過酷な面接(6章を参照)も突破して、最高の時を迎えた。自分が世界にとって間違いなく価値ある人間だと実感できる貴重な瞬間だが、そうなることは、おそらく事前に予測できたはずだ。
自分も企業
この章の本題に入る前に、強調しておきたいことがある。一つは、読者1人1人がどれほど強く「転職したい」と思っているか、私にはわからない、ということだ。また、転職にあたってどういう条件を望んでいるのかも私にはわからない。しかし、これから書くことは、どういう人にも必ず少しは役に立つはずである。もちろん、すべてはあなた次第である。見事転職を果たした時には、きっと、新しい仕事に心血を注ぐことだろう。人によっては生涯で5回、10回と転職するかもしれない。そして、新しい仕事につくたび、同じように気分の高揚を経験するのだ。また、それまでの職場を飛び出し、新しい職場に移るのを待つ前の気持ちは、多分、何度繰り返しても同じだろう。 ...
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