9章企業文化
Netscapeには、毎週水曜日にブリッジをする人たちがいた。場所はカフェテリアで、いつも正確に同じ時刻からプレーが始まった。
プレーヤーは皆、元SGI社員だった。Netscape内での部署はそれぞれに違っていたが、実はNetscapeという企業の文化を作っていたのは彼らだった。彼ら自身がそのために積極的に何かをしていたわけではないが自然にそうなっていたのだ。私がそれに気づいたのは入社して何ヶ月か経ってからのことだった。毎週ブリッジをするというのもそうした文化の一つである。
90日
新しい会社に移ってから、一応、自分の所属するチームの成り立ちを把握するまでにはだいたい90日くらいはかかる。90日くらい経つと、全員の顔と名前が一致し、それぞれがどういう仕事をしているのか、どういう知識を持っているのかもわかるようになる。チーム内に変わり者やはみ出し者がいれば、それもわかる。新興のスタートアップ企業の場合だと、自分の属する1チームしか社内に存在しないということも多い。チームのメンバーが12人なら、その12人について覚えればそれで終わりだ。自分が普段、顔を合わせる人たち、やりとりがいつも目に見えている人たちに関しては、それだけの期間で把握できる。だが、大企業の場合は、90日くらいではまだ「垣間見た」という程度である。そのくらいの時間では、そこで働いている人たちがどういう人たちなのか、会社の文化がどういうものなのかを詳しく知ることはできないだろう。
幸い、大企業には、文化や仕事の流れを把握するのに役立つ文書やツールが用意されていることが多い。どういう人をどの部署に入れればいいのか、ということ判断する際にもそれが使えるのだ。たとえば同じ会社に在籍していながらまったく面識のない人から突然、緊急のメールが届いたとしたらどうだろう。仮に、自分は誰でどういう仕事をしているかということが丁寧に書いてあったとしても、やはり不審に思うのではないだろうか。「こいつは誰だ。どこの所属だ」と思うに違いない。そういう時に、社内の内線番号をまとめた電話帳などがあれば、すぐに調べることができる。 ...
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