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本語序文
漂流アジャイルにならないために。
アジャイルが当たり前の手法になり、多くの人々が実際にこの手法を使って、製品
やサービスをデリバリーするようになりました。チームが毎週動くソフトウェアを作
り続ける活動は、とても活きいきとしていて、市場や顧客にソフトウェアを提供する
意味を再認識できるでしょう。
しかし、アジャイルを採用したチームからは、しばしば、「全体像がわからない」、
「ゴールがわからない」、「どこまで進んだのかわからない」という不安の声を聞きます。
ぼくはこれを「漂流アジャイル」と呼んでいます。
アジャイルは、短期間で動くソフトウェアを作り出します。その急速に開発が進ん
でいく手法は、ときとして作成される機能群を細切れにし、ストーリー全体の位置づ
けや、当初目指した目標が何であったかを、見えなくさせてしまうかもしれません。
あたかも大海原で漂流した船のように、次々と来るユーザーストーリーの波に、チー
ムは行き先がわからなくなり、現在位置を見失ってしまうのです。これが漂流アジャ
イルです。
開発の途中で機能の優先順位を変えたり、アプローチを変えたりできるのは、アジャ
イルの大きな武器です。しかし、ダイナミックな動きは、ゴールと全体像があり、海
図があってこそ有効なのです。漂流しているアジャイルチームを、航海に戻さなくて
はなりません。
ユーザーストーリーマップは、海図の役割を果たします。そのために、アジャイル
チーム全員が作成、修正していく活動こそが、ユーザーストーリーマッピングの本質
です。