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5 章 ループとモード
2004年1月 4 日、火星の巨大なクレーター「グセフ」に重量180kgの太陽電池駆
動6輪ロボットが着陸しました。1年以上の歳月と4億ドルの予算をかけて開発さ
れた惑星探査車「スピリット」です。ニュースサイト「Passport to Knowledge」は
こう伝えました
−
「スピリットが『赤い惑星』までの6か月に及ぶ旅を終え、危
険度の高い着陸にも成功した。最初の着地では衝撃で4階建てビルの高さにまで
跳ね上がった」
[P2K 2004]
。スピリットの開発と運用管制にあたっていた米国 NASA
ジェット推進研究所(JPL)のチームは、最大の難関をクリアしたと考えました。
しかしそれは誤りだったのです。
舞い上がった赤い塵が落ち着くと、スピリットは写真撮影と科学実験のミッ
ションを開始して、近くの目的地「スリーピー・ホロウ」に向かいました。ところ
が、1月21日、着陸後3週間を前にして何かが起こりました。NASAのディープス
ペースネットワーク
※1
とスピリットとの交信が途絶えてしまったのです。
当初、スピリットとの交信が途絶えたのは、オーストラリアの雷雨でネットワー
ク接続が中断したためだと考えられていましたが、実はスピリット自体に異常が
発生していたのです。翌日、 ...