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87
8
章
観察者バイアス
8.1
レッドライン問題
レッドラインとは、米国マサチューセッツ州のケンブリッジとボストンとを結ぶ地下
鉄である。私がケンブリッジで働いていた頃には、レッドラインに乗って、ケンドール・
スクエアから南駅に行き、そこから市電でニーダムに通っていた。ラッシュアワー時、
レッドラインは、平均して
7
〜
8
分間隔で運行されていた。
駅に着くと、プラットフォームにいる電車待ちの乗客の数に基づいて、次の電車が来
るまでの時間を予想していた。乗客が少人数であれば、ちょうど電車が出たところで、
後
7
分ほど待てばよいと推論できた。乗客がそれより多い場合には、電車はもっと早く
着くだろうと期待した。しかし、非常に多くの乗客がいる場合には、電車が時刻表通り
に運行していない心配があったので、地上出口に出てタクシーを捕まえた。
電車を待っている間に、ベイズ推定が待ち時間の予測といつ諦めてタクシーに乗る
のがよいかを決定す
るのに役立つのではないかと考えた。本章は、このようにして私が
到達した分析を示す。
本章は、オーリン大学で私の授業を受け
た
Brenden Ritter
と
Kai Austin
のプロジェ
クトに基づいている。本章でデータを集めるのに使ったコードは、
http://thinkbayes.
com/redline_data.py
にある。詳細については、まえがきの「コードについて」(
ix
ページ)
を参照のこと。