
まえがき
vii
まえがき
25 年前、米国の同僚たちが英国に来て、新しい世代のセキュリティアーキテクトを育成するための
手法とコースの開発を手伝ってくれました。当時、私たちが扱っていたシステムの多くは、Windows
やUnixの派生OSで動くミッドレンジやメインフレームであり、ネットワークの多くは社内向けまた
はプライベートなものでした。インターネット、クラウドコンピューティング、コンテナ化アプリケー
ション、アジャイルな働き方、自動化、AIなどは、情報システムの世界が経験してきた壮大な変化の
一例です。
簡潔さのための「ハイブリッドクラウド」
本書では簡潔さのために、以降「ハイブリッドクラウド」という言葉を用います。本文で「ハ
イブリッドクラウド」と書かれている箇所は、オンプレミス環境とクラウド環境を併用して
いる場合のみならず、複数のクラウドサービスを含む場合、すなわち「マルチクラウド」で
ある場合もあり得る、と読み替えてください。
多くのことが変わった一方で、25 年前に私たちが作ったセキュリティアーキテクチャの主要概念は
変わらず残り続けています。私たちは当初、次の標準的な概念の定義から始めました。
●
設計原則(Guiding principles)あるいはセキュリティ設計目標:機密性・完全性・可用性(CIA)
の喪失を防ぐという考えに基づき、セキュリティ管理策をどのように適用するか、前提を定める。
●
セキュリティドメインの集合:当時はサブシステムと呼んでおり、セキュリティ管理策をグルー