
6.6
脅威モデリング
197
セキュリティ管理策の実施コストが、関連する脅威を悪用した場合に発生する損害よりも高額であれ
ば、この対策に投資することはビジネスの観点からは意味がありません。
つまり、脅威が組織にもたらすリスクを理解する必要があります。
リスクの一般的な定義では、「リスク=発生確率(Likelihood)× 影 響( Impact)」と 定 義 さ れ ま す 。 サ
イバーセキュリティの分野では、定性的なリスク分析がリスクを評価するための最も一般的なアプロー
チであり、本書でもこれを応用しています。しかし近年では、FAIR
※37
やISF-QIRA
※38
(Information
Security Forum Quantitative Information Security Risk Assessment)のような定量的リスク評価アプ
ローチの採用が増えています。定性的アプローチの欠点は、リスク評価に評価者の経験に基づいたバ
イアスが存在することです。リスクの影響カテゴリを特定することは容易かもしれませんが、脅威の発
生確率を一貫したアプローチで特定することは難しいといえるでしょう。個人の経験による影響を減ら
すため、OWASP は、OWASP Risk Rating Methodology
※39
とRisk Calculator
※40
のようなリスク評価ア
プローチを開発しました。この方法を使うことで、多くのバイアスが取り除かれ、十分な再現性のある
結果が得られます。
OWASP Risk ...