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章
はじめに
本書を手にした読者のみなさんには、ソフトウェア工学、コンピュータグラフィックス、データサイ
エンスの専門家、あるいは単に好奇心旺盛なコンピュータ愛好家など、さまざまな分野、志向の方が
おられることでしょう。専門性や興味に多様性があると思いますが、本書を読み進め、実際に量子コ
ンピューティングを体験することで、それぞれの専門分野での量子コンピューティングの可能性につい
て考えていただけるように、本書を構成しました。
可能性を示すことを目的としているために、本書の各章では、量子物理学(量子コンピューティング
の基礎となる法則)や量子情報理論(その法則が私たちの情報処理能力をどのように決定するか)に関
してはあまり詳しい説明をしていません。代わりに、このエキサイティングな最新テクノロジーで何が
できるのか、その見通しを与える実例を紹介します。最も重要なことですが、本書ではこれらの実例
に関するコードを示しますので、みなさんの興味ある問題に合うように微調整したり、改変することを
試みてください。「実践」という最も効率的な方法によって、このテクノロジーの可能性について学ぶこ
とができるでしょう。実際に進めていく中で、量子コンピューティングの核になる概念を説明します。
その説明によって、量子プログラムを書く際の「感覚」を養ってください。
私たちのささやかな願いは、興味を持った読者のみなさんが、物理学者が考えもしなかった分野で
量子コンピューティングを応用する、あるいは応用範囲を広げるために、この本 ...