
1.3
実践的アプローチ
3
る問題の種類を飛躍的に広げる能力があるからです。つまり、量子コンピュータで容易に計算できるよ
うな重要な計算問題が存在するのです。この計算については、現在考えられる標準的なコンピュータ
では、たとえ今後性能が向上したとしても、実行することは不可能でしょう
*
1
。
しかし、重要なことに、この種の性能向上は(後の章で説明する)特定の問題にしか現れません。他
の問題でも威力を発揮することが期待されていますが、量子コンピュータ上ですべての計算を実行す
る価値はあまりありません。ノートパソコンで実行されているタスクのほとんどについては、量子コン
ピュータは優れた性能を発揮することはできません。
言い換えれば、プログラマの観点から見れば、実は量子コンピュータはコプロセッサ(副処理装置:
co-processor
)なのです。これまで、コンピュータはさまざまなコプロセッサを使用してきました。例
えば、浮動小数点演算(
floating-point arithmetic
)、 信 号 処 理 (
signal processing
)、 リ ア ル タ イ ム グ ラ
フ ィ ッ ク ス(
real-time graphics
)など、それぞれの専門分野に適したものです。この観点から、量子コ
ンピューティングのサンプルコードを実行するデバイスを QPU(
Quantum Processing Unit
:量子処理
装置)と呼ぶことにします。この呼称を用いると、量子コンピューティングを利用するべき重要なコン
テ