
218
医療業界におけるXR活用
認知症予防、医学教育
10-2
認知症の予防や精神的健康支援
医療業界では、手術支援や訓練、精神的健康支援、遠隔診療などさまざ
まな形でXR が活用されています。
例えば、
認知症予防やリハビリテーションでは、仮想空間での体験が患
者の運動能力や認知能力を向上させてくれます。VR空間内で野菜の収穫
や料理などのタスクを消化するゲームでは、手や腕を動かして野菜を収穫
したり、料理の材料を切る動作により、楽しみながら運動能力を向上させ
ることができます。また、野菜の名前を覚えたり、レシピを思い出したり
するタスクを通して、記憶力や認知能力の維持・向上にも役立ちます。こ
うして患者は仮想空間の中で、ゲームのような体験を通じて楽しく運動を
続けることができ、リハビリテーションの効果が高まります(図10-3)。
精神的健康支援においても活用されています。不安障害や恐怖症の治療
では、患者は安全な仮想環境の中で、恐れや不安を徐々に克服していくこ
とができます。また、リラックスできる仮想環境の中で、美しい景色や自
然の中を歩きながら、ストレスを軽減して安心感を得ることもできます。
医学教育とトレーニングの革新
医学教育においても、仮想空間に臨床的なシナリオを再現することで、
実際の状況に近い環境で学習することが可能です(図10-4)。
例えば、仮想空間内で患者の症例を再現し、診断や治療方針の決定を練
習することができます。学生は、患者の症状や検査結果などの情報を収集
して診断を下す過程を仮想的に体験できます。 ...