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1 章 はじめに:データ分析思考
せん。むしろ、何らかのビジネス上の有意義な発見を期待してデータを調べるのです
†
。
この本で扱う乗り換えの例は、タイプ
2
のデータ主導型意思決定の問題です。
MegaTelCo
社は数億人もの顧客を抱えており、そのすべての顧客が乗り換えする可能性を持っていま
す。毎月末に数千万人の顧客が契約期間満了を迎えます。そして近い将来において、そのう
ちの何割かの顧客の乗り換え確率が高くなっているかもしれません。そうした顧客に焦点を
当て、その顧客の収益性を推定する手法を改善させることができれば、その手法を月末に契
約満了を迎える数百万の顧客に適用することで、顧客を引き留め、結果として莫大な利益を
得ることができます。この考え方はデータサイエンスとデータマイニングを積極的に利用す
る分野の大半で適用することができます。具体的にはダイレクトマーケティング、オンラ
イン広告、クレジットスコアリング、金融トレード、ヘルプデスクのマネジメント、不正検
知、ランキング検索、商品レコメンデーションなど多岐に渡ります。
図
1-1
からはデータサイエンスがデータ主導型意思決定を支えていることがわかります
し、両者には明確な境界がないこともわかります。このことは、ビジネスにおける意思決定
は今後ますますコンピュータによって自動的に実行されるようになるという見落とされがち
な事実を明らかにしています。業種によって速度の差はありますが、さまざまな業種でコン
ピュータによる自動的な意思決定が取り入れられています。金融業と通信業はその先駆者と ...