
37
37
2.4 データマイニングプロセス
である必要があります。そのため、データサイエンティストはモデルの理解しやすさについ
て配慮しなければいけません(モデルはデータサイエンティストだけがわかればいいもので
はないのです)。モデル自体が理解しにくい場合(例えば、モデルが複雑な数式などで構成
される場合)、モデルの働きをわかりやすい表現に置き換えることが求められます。
最後に、運用を始めてしまったモデルの性能に関する詳細な情報を得ることは、困難で
あったり不可能なことがあるため、モデルに対する包括的な評価を行うための枠組みが重要
であると言えます。モデルを適用した環境へのアクセス手段(データ取得など)が限られる
ことが多いため、一度運用を始めてしまうと、包括的な評価をすることは難しくなってしま
います。また、モデルを適用したシステムは多くの構成要素を持つこともあり、そのうちの
1
つの要素の貢献だけを評価することは困難です。熟練したデータサイエンティストを抱え
る企業は、本物の環境にできるだけ近づけたテスト環境を構築します。これは、モデルを適
用する前に、リスクへの備えとしてできるだけ現実に近い評価をするためです。
現実に近いテスト環境があったとしても、例えば、開発中のモデルを運用中のシステムに
つないで、無作為試験をしたいことがあります。乗り換え問題の事例において、あるデータ
から構築したモデルが実験室中では乗り換えの抑制に効果があると評価されたとします。そ
の場合にはモデルを運用中のシステムにおいて無作為に抽出した顧客に適用し、残りの顧客 ...