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7 章 意思決定のための分析思考 I:良いモデルとは何か
でしょうか。
今のところ、筆者のモデル
B
はモデル
A
よりも優れているようです。それは、検証対象の
母集団(乗り換えする顧客としない顧客の割合が
1:9
の母集団)において、モデル
B
の方が
A
よりも良い性能を発揮するように見えるからです。しかし、まだモデル
B
の方が優れてい
ると決めることはできません。それは、精度についてのまた別の問題が存在するからです。
分類の結果には、種類が異なる間違った決定や正しい決定がありますが、それらの違いにつ
いてどれくらい注意を払うべきか理解する必要があります。次の節では、この問題を扱いま
す。
7.1.4
等しくないコストと利益についての問題
単純な分類精度を指標として使った場合に発生する別の問題として、偽陽性エラーと偽陰
性エラーを区別していない、という問題があります。それらを区別せずに同じものとして評
価するということは、それぞれのエラーは同じ重要度であると想定していることになりま
す。しかし現実には、それらの重要度が同じということはほとんどありません。
2
つのエラー
は異なるコストを持ち、その意味も異なります。なぜなら、分類されたそれぞれの結果の深
刻度が違うからです。
ここでは癌検診を例にして、ある患者が癌でないにもかかわらず間違って癌だと宣告され
た場合を考えてみましょう。この場合は偽陽性エラーに当たります。この誤診のせいで、患
者はさらなる検診や生体検査を受けることとなるでしょうが、最終的には最初の癌診断が間
違いだったとわかるでしょう。この誤診により、患者は高額な検査費用を支払ったり ...