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11.2 より洗練したやり方で乗り換え問題を再考する
11.2.2
インセンティブの影響を評価する
ここまでの議論を、さらに深く掘り下げていきましょう。インセンティブを与える対象と
して選択した顧客と、対象としなかった顧客の両方の利益を計算し、また、インセンティブ
付与にかかるコストを明らかにしていきます。顧客
x
が留まった場合の利益を
u
S
(x)
とし、
顧客
x
が乗り換えた場合の利益を
u
NS
(x)
とします。なお、両方ともインセンティブ付与に
かかるコストは含んでいないものとします。さらに、単純化のため、顧客が留まるか乗り換
えるかに関わらず、インセンティブの付与にはコスト
c
がかかると仮定します。
乗り換えに関して言えば、この仮定は完全には現実に即しているわけではありませ
ん。インセンティブは通常、別の携帯電話への乗り換えのように、顧客が留まる場
合にだけ発生する多大なコスト要素であるからです。この細かい複雑さも考慮する
ように分析を拡張することは簡単ですし、結局は同様の結論を導き出すことになる
でしょう。気になる読者は、是非試してみてください。
それでは、対象とした場合と、しなかった場合の期待利益を別々に計算しましょう。そう
することで、顧客をオファーの対象とするかどうかによって、留まるのか乗り換えるのか、
という確率が変わってくること(すなわち、インセンティブの効果が実際にあること)を明
らかにする必要があります。ここで、顧客が留まる確率に対して、オファーの対象とした顧
客を
T
、対象としなかった顧客を ...