
002
K A I Z E N J O U R N E Y
Foreword
この 本は何?
私たちは、みなさんがいる場所「ソフトウェア開発の現場」をより良い方
向へと変えていくための方法を、この本を通じて届けたいと思っています。
問題が起きない現場なんて、まずないでしょう。仕事をしていれば、大
小様々な問題が起きるものです。問題にもポジティブなものと、ネガティ
ブなものがあります。
ポジティブなものとは、挑戦した結果に生じる問題のことです。もっと
より良い開発のやり方、仕事の進め方を求めて、「新たな方法」に踏み出そ
うとすると、当然不慣れですからうまくいかないことが多いでしょう。こ
うした新たな方法は、世の中を見渡せばたくさんの選択肢として提示され
ています。
一方、ネガティブなものとは、誰も望んでいない、できれば回避したい
問題にあたります。人と人との期待のズレから起きる対立。原因が是正さ
れず、繰り返し発生してしまう障害や不具合。どういうコミュニケーショ
ンを取れば良いかわからず、起きてしまう認識の齟齬。ネガティブなほう
の問題は、そのような現状に至っている背景や事情がたいていあるため、
解決するためにはこれまでの習慣や前例を越えていかなければならないと
いうハードルの高さがあります。しかも、行動の原動力は、現状を何とか
したいという思いであり、個人から出発することが多いと思います。つま
り、現場を変えるという挑戦をたった一人から始めることになるのです。
私たちも、これまでそのような状況であがいてきました。そんなときに ...