
029
カイゼン・ジャーニー
04
E P I S O D E 0 4
一 人 で 始 めるタスクの 見 える化
04
忘 れ てまし た 、忘 れ て まし た 、そし て 、忘 れ て ました 。
「また、結合テストでバグが53 件だ」
チームリーダーの神戸橋さんが、印刷した紙の束を僕とPCの間の空間に投げ
込んできた。いまどき、まだ紙で印刷して、チェックしているのはどうなの、と
僕が別のことで目をそらそうとすると、神戸橋さんは畳みかけてきた。
「結合テストが始まると、いつも、毎日50件も100件もバグが出てくる。珍しい
ことじゃない。たいていのプロジェクトで、同じことが起きる」
お前らプログラマーのせいだ。神戸橋さんは要はそう言いたいらしい。実は僕
も、反論ができない。結合テストで起きている問題の大半はどれも後から考えれ
ば、なんで事前に考慮してなかったんだろうとか、なんで他のプログラマーと話
をすり合わせておかなかったんだろうとか、つまらないものばかりなのだ。でも、
そのつまらないことをあらかじめ潰しながら仕事を進めることができないでいる。
「原因を聴けば、忘れてました、忘れてました、そして、忘れてました、だよ」
今日はどうやらとことん僕のことを詰めたいらしい。他のメンバーの反応がの
れんに腕押しなので、まだ反骨心のある僕のほうが手応えがあるらしい。いい迷
惑なんだけど。
僕もあてはまるのだけど、確かにメンバーが思い思いのやり方でやるべきこと
の管理をしているので、抜け漏れは人によってムラがあるし、一向にカイゼンさ ...