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カイゼン・ジャーニー
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思わずいら立ちを感じた。
「あの、私も質問です」
今度は、別のメンバーが声を上げた。今年入社の新卒、ウラットさんだった。
彼女も開発メンバーとして加わっている。国籍はタイだが、日本語は流暢。入社
以来、真面目にコードを書き続けてきたらしく、新卒でありながらプログラミン
グの腕はついてきている。七里よりよほどできるかもしれない。何もしなくても
ずれ落ちてくる大きなメガネを指で押し上げながら、ウラットさんは僕に質問を
した。
「スプリントはどういう期間で回すのですか」
「このチームでは2 週間でやるよ」
期間の選択肢としては、1 週間、2週間、4週間とあった。4週間では長すぎて
反復的に開発する感覚が弱くなってしまいそうなので、また1週間という短期間
で回せるほどチームの練度は高くないので、2週間を選んだ。
「俺は何をしたら良いのかねえ」
そう声を荒げたのは、比較的若いメンバーが集まったこのチームの中では、最
年長になってしまう土橋さんだった。品質管理部の部員で、入社以来ずっと品質
管理だけをやってきているということだった。
品質管理の経験が長いので、蔵屋敷さんは彼をプロダクトオーナーに指名した
のだった。
「土橋さんは、プロダクトオーナーです。プロダクトオーナーは、つくるべきも
ののリスト、つまりプロダクトバックログの順番づけやプロダクトとして何をつ
くるべきか、ということに特に責任を持つ役割ですね」
僕は資料にメモしておいた、プロダクトオーナーの役割を読み上げた。僕だっ ...